さしみ醤油は通常のものと比べやや甘いものですが、九州の醤油の甘さは更にその上をいくものです。鹿児島出身の友人から戴き最初に食べた時は、正直その甘さに驚きました。濃度の濃い甘さで、お餅に付ける砂糖しょうゆとは非なるもの。それぞれの味が分離しておらず甘さがまず最初にやってきます。
鹿児島ではこれを付けて刺身を食べるのが普通と聞いたので、恐る恐る挑戦すると意外にいけます。むしろ美味しく感じるほど。マグロや白身には甘さがない方が合いますが、ブリやカツオにはかなりマッチするから不思議です。
この醤油の起源は南蛮貿易が関係しているようです。九州は唯一外国との交易があった地域で、砂糖は他の地域より早く身近な存在になりました。とはいえ贅沢品だったことに変わりはありません。人をもてなす為に砂糖を使用することが最高のおもてなしだったのですね。その名残もあり、今も甘い醤油の人気が高いようです。
ご当地チップスで九州しょうゆ味があり、他の地域でも限定発売されることがあります。関東に住んでいる人にも好評ですが、他の地域ではうす塩味が圧倒的シェアを誇る中で九州だけは九州しょうゆ味のシェアが高いそうです。それだけ甘い味が定番になっているのですね。
チップスに合うように、この醤油を使用したじゃがバターは絶品です。また味醂を控えめにして煮物に使用するとコクが出て美味しくなりますよ。