人は陸上や船上から、海中に魚がいることを肉眼で確認することができません。見えない魚を捕まえようとしても、時間がかかります。レジャー目的ならばそれも楽しいでしょう。しかし、仕事として魚を捕まえることで生計を立てている方もいます。そのような方々にとっては、少しでも短時間で、効率的に多くの魚を捕まえることが重要です。
では、漁労をしている方は、どのような方法を用いて効率的に魚を捕まえているのでしょうか?そのような方々が利用している機器が、魚群探知機やソナーです。どちらも超音波を使い、海中にいる魚の群れを探し出せます。双方の違いとして、魚群探知機が船の直下部分の魚群を捉え、その映像を表示するのに対して、ソナーは船の周囲360°を広く探索することができます。
レジャーやホビー目的でも、魚群探知機やソナーが利用されることがあります。その場合は、より安価な魚群探知機の人気が高いです。一方、漁業やスポーツフィッシングなど、ある程度本格的に魚群探知を行う必要がある場合は、広範囲の探索をカバーできるソナーの利用が多いです。ソナーを使うことで、より効率的に魚を探すことができます。
ソナーは製品によって探知方法が異なります。ソナーの種類は主に以下の4つがあります。
<サーチライトソナー>
6°幅のビームが船の周囲を360°周回して魚群を探します。ビームの幅が狭いため、周囲全体の様子を捉えるには時間がかかります。また、船自体も移動しているため、探索漏れが生じやすいという欠点も持っています。
<セクタースキャニングソナー>
45°、または90°のビームで船の周囲360°の魚群を捉える方法です。サーチライトソナーよりもビームの幅が広いので、周囲をより早く探索でき、また探知漏れもしにくいです。
<全周型スキャニングソナー>
船の周囲360°を一瞬で探索できる方法です。探知範囲は180°の半周型と、360°の全周型に分かれます。いずれにしても水平方向においては探知漏れをしにくく、また魚群の移動方向や移動速度を計算・表示することもできます。
<パッシブソナー>
ソナーの使用用途には、魚群探知以外にも水上艦艇や潜水艦、機雷探索などがあります。このような軍事目的で用いられるのがパッシブソナーです。音波を発することがなく、対象物の音波を受信することで周囲を探索するので、存在を悟られないという利点がある一方、音の小さい対象物を捉えられない・捉えられたとしても探知精度が低いという欠点を持っています。
ソナーの探知能力が決まるひとつの要素に、送受波器の「周波数」があります。どれだけの超音波を送受信できるかの指標となる数値です。周波数は大きく「低周波」と「高周波」に分かれ、一般的には100 KHz(キロヘルツ)以下が低周波として扱われます。
周波数は、低いほど一度に広い範囲を探索できます。しかし、低周波と高周波はそれぞれメリットが異なるので、一概に低周波ソナーが良いとは言えません。水深が深く、広い範囲の探索には低周波ソナーが適していますが、浅く狭い範囲を探索する場合は、高周波ソナーのほうが詳細で精度の高い探索結果を得られます。
こちらの会社で取り扱っている、1台の装置に2台の送受波器を搭載した「2周波全周スキャニングソナー」は、低周波ソナーによる探索と高周波ソナーによる探索のどちらも行える機器です。そのため、より効率的な魚群探索が可能です。
ソナーを使用する際は、低・高周波ソナーをそれぞれ用意するか、2周波全周スキャニングソナーのように双方の利点を備えた製品を購入して、低周波と高周波のどちらもを活用することをおすすめします。
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